介護過程展開のための情報収集

介護過程の最初は情報収集です。
デイサービスの利用希望者が見学に来たときや、その後の面談の時に情報を収集していくことが必要になります。
この仕事の中心にいるのは生活相談員です。
場合によってはケアマネージャーから情報が送られてくることもありますが、情報がその後の介護過程に有益なものでなければなりません。
そこで情報収集に役立つのが、国際生活機能分類です。
健康や心身状態、身体構造、活動などあらゆる概念から利用者をとらえていくものです。
たとえば、70歳女性でリハビリの意思はあるという個人因子、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があるという心身の状態、身体構造、機能障害などの有無、加えて、その状態でも病状は安定して健康といえるという健康状態など聴き取りにより情報を得ていくのです。
その知り得た情報を分類化することで、どのような支援が必要かがわかりやすくなります。
そして、一般に介護過程のうち、情報収集から問題と課題の抽出までの過程をアセスメントと呼びます。
加えて介護保険では、尊厳を保持し、自立支援をすることが重要とされています。
自立と聞くと要介護状態とは無縁のようにも感じますが、介護においての自立は病気や障害があっても自分の人生や生活に主体的にかかわり、自分の意思でサービスを選択して自分らしい生活をつくることを指しています。
その利用者の自立支援が仕事であり、常にアセスメント力の向上に努める必要があります。
本人の意思を無視したサービスありきの支援や状態の改善を強要する支援をデイサービスで行うことは適切ではありません。
尊厳ある自立をあくまでも目指せるよう支援することが重要です。